虹の見える万華鏡
目  的

 太陽光も蛍光灯も実際はさまざまな色の集合により白く光っています。分光シートは、そのさまざまな色を分解することができます。分光シートを使って虹が見える万華鏡を作ってみましょう。(鏡は使用しません。)

準  備

・ 紙コップ×3 ・ 分光シート ・ 画鋲(つまみがあるもの) 
・ビニールテープ(黒) ・ 黒い塗料 ・ カッターナイフ

(1)2個のコップの内側を黒く塗ります。(省略可)光の反射・進入を防ぐために黒い塗料などで塗ります。コップの内側には水をはじくようにロウが塗ってあります。墨汁に中性洗剤を入れるとはじかなくなり黒く塗りやすくなります。
方  法

(2)黒く塗った紙コップと塗っていない紙コップの底に1cm四方の穴を開けます。

(3)黒く塗っていない紙コップの1cm四方の穴に1.5cm四方に切った分光シートをセロテープで貼ります。分光シートの上にセロテープを貼ると見づらくなるので注意が必要です。

(4)黒く塗った2個の紙コップの口を合わせて黒いビニールテープで固定します。

(5)2個合わせたコップののぞき穴がない方に画鋲で好きな形に穴を開けていきます。美しい形を工夫してみましょう。
(6)分光シートを取り付けた紙コップを重ねて出来上がりです。光源を覗いて重ねた紙コップを回せば虹が見えます。

※分光シートは1cmあたりに約2,000本の細かな

筋を十字に引いてある透明のフィルムシートです。いろいろな規格・別名で市販されているようですが、このようなものを「回折格子」といい、光を分けることができます。

参考
分光シート
 分光シートは1cmあたりに約2000本の細かい筋を、十字に引いてある透明のフィルムシートです。科学の世界ではこのようなものを「回折格子」と呼びます。この回折格子を通して光を見ると光の回折と干渉によって白色の光は虹色に分かれます。また、このような「回折格子」は「ホログラムシート」や「グレーティングシート」と呼ばれることもあります。
 さまざまな色の光はそれぞれ特有の波長を持っています。白色の光を分光シートで見るとその波長に応じて回折と干渉が起こり、白色を作っている光の成分がそれぞれ違った道筋をとおるので虹のように見えるのです。
 また、これらの観察により光はまぜると白色になる。ということがわかります。絵の具は混ぜると黒色になるのでまったく性質が逆ですね。
 さらに、高速道路のナトリウムランプやさまざまな色のネオンサインなど、いろいろな光を観察してそのスペクトルから光源(物質)を特定するなんてことも可能ですね。その代表例は炎色反応です。ナトリウムや銅などを燃やして単色スペクトルを観察してみましょう。